電話やFAX、Eメールで寄せられるさまざまな注文をまとめるのに、時間がかかりすぎるという声がよく聞かれます。同時に、注文伝票の枚数が多すぎて仕事が進まないという問題もあります。しかし、これらの問題は、受発注システムを導入することで一気に解決することができます。今回は、受発注システムのメリットや比較ポイント、おすすめのシステムなどをまとめました。
受発注システムとは?
受発注システムは、受注・発注処理における一連の業務を電子化するシステムです。モノとカネの流れを一元管理でき、極めて多機能なシステムです。多機能なシステムにより、作業効率の向上、コスト削減、納期短縮、ヒューマンエラーの低減、顧客満足度の向上など、さまざまな効果が期待できます。
どういった企業が導入するのか
受発注システムの導入が推奨される企業には、大きく分けて3つのタイプがあります。1つ目のタイプは、受発注の作業負荷が高く、効率化を図りたい企業です。2つ目のタイプは、誤発注や誤納品が多く、ヒューマンエラーや無駄な経費を削減したい企業です。第3のタイプは、複数の受発注方法を管理するための工数を削減したい企業です。
受注業務の工数が多い
運営店舗数が多い場合や、発注業務をFAXで行っている場合は、システムの導入により業務負荷が改善されます。通常、5店舗以上の企業では、アナログ運用とは異なり、システムを利用した方が効率的であると考えられています。
取引先が多い
仕入先が多ければ多いほど、受発注の作業負荷は大きくなります。受発注システムの有効性は、「店舗数×仕入先数」と言われています。
特に、仕入先の数が多ければ、発注書や納品書の数が増え、煩雑になる。店舗数が多ければ、1店舗あたりの処理量はそれほど多くありませんが、仕入先の数が多いと、1店舗あたりの負担が大きくなるため、苦労することがあります。
納品書など帳票の作成が多い
受注・発注業務の負担は、基本的に店舗数と仕入先の数に比例します。しかし、考慮すべき要素はこれだけではありません。賞味期限の短い食材を仕入れる場合、受注から発注までのスパンが短いほど、納品書や請求書の枚数が増え、負担が大きくなります。店舗数や仕入先の数で計算するのはあくまで目安です。従業員が負担を感じるようであれば、受発注システムの導入をすれば、管理工数の削減にもつながります。
受発注システムのメリット
受発注システムで業務を効率化でき、多くのメリットがあります。しかし、受注側と発注側でメリットが異なる点に注意が必要です。そのため、それぞれの業種におけるメリットを見極めた上で、導入することが望ましです。
発注側
受注・発注システムにより、いつでもリアルタイムに受注データを確認することができます。注文した店舗だけでなく、本社のPCや外出先のスマートフォンからもアクセスでき、場所を選ばず利用できます。また、オーダーデータを自動入力することで、ヒューマンエラーの防止にも役立っています。注文データを直接記録できるだけでなく、在庫表も自動で作成できるため、業務効率の向上につながります。
受注側
工数削減やヒューマンエラーの抑止といったメリットは、受注側にも共通します。販売管理システムと連動させれば、管理の手間を大幅に削減できます。
また、受注ルーティングを一元化できるのもメリットだ。受注側は多くのベンダーから注文を受けるため、受注経路も多種多様です。しかし、電話やFAX、電子メールなど、受注方法がバラバラだと、データを一元化するだけでも大変です。そこで、受注は主にシステム上で行い、システム受注に対応できないベンダーのみ営業担当者が代理で入力する仕組みを作れば、受注ルートの一元化が可能になります。また、システム導入により、郵送やFAXの回数が自動的に削減される。印刷や封入作業が不要になるほか、郵送コストや紙の消費量も削減に繋がります。
受発注システムのデメリット
デメリットについても、発注側、受注側それぞれありますのでご紹介していきます。
発注側
自社の取引スタイルに不適切なシステムを選択した場合、業務効率が上がらない可能性があります。例えば、細かな注文設定が必要でないのに、それを可能にするシステムを導入することは非論理的です。むしろ、複雑な操作性で使いにくいと感じるかもしれません。
また、受発注システムを利用するためには、取引先にも同様のシステムがあることが前提です。取引先がシステムを導入できない場合は、システム上で発注した内容を自動的にメールやFAXで送信する機能を利用することができます。
受注側
受発注システムは、取引の両当事者がシステムを導入して初めて有効になります。片方だけがシステムを導入しても、意図したようには機能しません。しかし、多くの個店や中小企業と取引する場合、すべての取引先にシステムを導入してもらうことは困難です。導入してくれる取引先が少ないと、思ったような効果が得られないこともあるので注意しましょう。
まとめ
受発注システムは、ビジネスに欠かせない受発注を効率化するシステムです。作業負担を軽減するだけでなく、ヒューマンエラーの防止やデータの共有化にも貢献してくれます。受発注システムを導入する際には、自社のビジネススタイルや取引先に適したシステムを選ぶことが重要です。様々なシステムがありますので、それぞれの特徴を比較した上で決定する必要があります。また、各システムの特徴や自社の業務体制を考慮することが重要です。適切なシステムを導入することで、発注側と受注側の双方に良い影響を与えることができます。